波止場のバス停-第二幕-
(1)
波止場のバス停の近くの
ラーメン屋で
扇風機が造花を揺らしている
ポリエステルの向日葵が
気忙し気に揺れている
あたしはインスタント・コーヒーを
飲みながら
夫婦(めおと)岩を眺めている
この思いが潮瀬(しおせ)に乗って
遠い国まで流れてゆけば
もうバスを待たなくても
いいのにな
(2)
波止場のバス停の近くの
ラーメン屋は
ラーメンを作る人が街を出た
海鳥たちに見送られ
ひとりバスで街を出た
もしもヘリコプターからお金を
撒くならば
あの人たちの手紙も
この思いが潮瀬(しおせ)に乗って
遠い国まで流れてゆけば
もうバスを待たなくても
いいのにな