ゴーストタウンへ

(1)

乗車券はリボ払い
出世払いで頼みます
ゼロ番線の駅のホームで
ゴーストタウン方面の列車を待つ
ダイヤはとても不確かで
棺桶のように固い椅子の三等車
汚れた車窓の向こうに
国境の壁がずっと続いていた
白痴美(はくちび)の女が眠っている
誰の夢を見ている
どうか遠くへ往かないで
バルクのスピーカー歌を歌ってる
動力を失くしたUFO(ユーフォー)の如きメロディ

(2)

ポリ鬼達のから騒ぎ
出棺を告ぐサイレン
計算尺じゃ測り切られぬ
ゴーストタウン駅前の混雑がある
壊れた時計動き出す
念仏のように繰り返す手荷物検査
鬼門(きもん)の方角に往(ゆ)くと
贋札(がんさつ)が飛ぶように売れていた
白煙(はくえん)の向こうの眠り目で
検問をすり抜け
桜田門は明盲(あきめくら)
バルクのスピーカー歌を歌ってる
動力を失くしたUFOの如きメロディ


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