もし、あたしが
(1)
ねえお義母さん
長い梅雨が明けて
一番星 西の空で輝く時
懐かしい人が
お墓参りに来ました
お義母さんもよく知っている
仲人をしてくれた日野さんです
もしあたしが墓守をやめる日が
来るとしたら
それは春風が
夢を運んできた時です
(2)
ねえお義母さん
トンネルのペンキが
塗り替えられ 鮮やかな緑になったの
懐かしい人が
夢の中で笑っている
お義母さんもよく知っている
租界から連れてきた林(リン)さんです
もしあたしが墓守をやめる日が
来るとしたら
それは秋空が
あの日の空になる時です